うたたねひつじ

日々のつれづれ。おそらく主に食事、読書、ガンダム、その他が話題になるかと。

なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか!?

日野田直彦 IBCパブリッシング

 

濃い。濃い先生だ。

先述の山本先生と同様に英語教育に注力されている。

大阪府の民間人校長のプロジェクトで起用された人物。塾の馬渕教室で働いたあと、登美ヶ丘中学・高校の設立に携わったのち、大阪府箕面高校の校長に就く。

着任時の高校は教員間の空気もぎすぎすした雰囲気。しかも前任の校長が骨太の英語力養成事業指定校に手を挙げていたことを着任後に知る。

知己を辿り、試行錯誤の中でそれに応じた事業を始める。一方で球技大会、補講、補習など、それまであたりまえにやってきたものを説得を続けて廃止。テストの採点方法もより効率的にし、無駄な業務の削減にも取り組む。

ネガティブな話し合いを減らし、会議は極力オープンに。また、さまざまな改善のために積極的に府の競争的予算確保にも努める。

本書のメインは前述の骨太の英語力養成事業の中身。土曜日の正課外講座。2年目にはSuper English Teacherが任期付きで着任。このSETの高木先生が強力なメンバーとなる。タクトピアの長井氏の助力を得て2年目にはそれまでにないボストンのアントレプレナーシップキャンプを開始。更にはお金のない生徒のために居ながらにしてできる留学、留学生を招いた冬季キャンプ。これらの活動を経て在任期間中にタイトルの通り、決して目立つエリート校ではない公立高校でありながら海外進学者を多く輩出するような高校に成長する。

彼のポイント。ひとつ目は熱意。次に自分と同じ思いをもつ仲間を探す意欲。自身の言う帰国子女だからかの、自分の思いを殺さずはっきり主張すること。そして、生徒と同じ目線で話し、相手を子どもとして扱わない感覚。こういったところが彼の活動を成功させているのだろう。

現在は武蔵野学院女子中学・校長に着任し、新たな場で新たな活動に取り組んでいるようだ。

それにしても根気よく話し合ってるような書き方だが、書いていることだけを見ると、反対意見に対し、「何度も説明しましたよね?今からだめというのは変ですよ」とか、結構、説得というよりはより強い姿勢に思う。

 


ひとつ、大変ショックなのは同い年。

天と地ほどの差もある自分が情けない。